“金銭感覚の違う友達”とどう付き合う?子どもへの声かけのヒント

家庭で学ぶ

“金銭感覚の違う友達”とどう付き合う?子どもへの声かけのヒント

「〇〇ちゃん、毎日コンビニで買い食いしてるんだって」
「課金、親が全部払ってくれるらしいよ」

そんな話を子どもから聞いたとき、親としては「うちは違うけど…」とちょっとモヤッとするもの。
でも、それ以上に、子ども自身が“違い”に戸惑っているケースも多いのです。

なんとなく気まずい。だけど合わせたくなる子どもの心理

よくある金銭感覚のギャップ

小学校高学年〜中学生ごろになると、こうした場面が増えてきます:

  • 放課後に毎回買い食いする子と、節約を意識している子
  • ゲーム課金やグッズに月数千円使うのが当たり前の子
  • 誕生日に1万円単位のおこづかいをもらう子

そしてその違いは、一緒に過ごす中で、じわじわと見えてくるもの。

「断れない」「浮きたくない」子どもの葛藤

「今日は買わない」「それはちょっと高いな」──そう言いたくても、「ケチって思われるかも」と気になる。

友達との関係が何より大切な年ごろ。
無理に合わせようとして、本心とは違う選択をしてしまうこともあります。

友達を否定したくない。でも違和感もある

「あの子はあの子でいいんだと思う。でも、なんかモヤっとする」

そんなふうに、人間関係と金銭感覚の間で揺れるのが子どもたちのリアルです。

大人が「それはおかしい」「うちとは違う」とバッサリ切ってしまうと、子どもが友達関係ごと否定されたように感じることも。

次はそんなとき親ができる“声かけ”と“関わり方”を紹介します。

「付き合うな」とは言えない。親の声かけでできること

友達との金銭感覚の違いに戸惑っている子どもに、
「じゃあ付き合わなきゃいいじゃん」とは、言いたくない。

それでも、親としては何か言いたくなる。影響を受けないか心配になる。

そんなときに大事なのは、すぐに答えを与えるより、“考える視点”を渡すこと。

「うらやましいね」「困ったね」──まずは感情を受け止める

「毎日買い食いしてるの、いいな〜」「なんで自分はできないんだろ」

そんな子どもの言葉には、不満や羨望、ちょっとした劣等感が混ざっています。

そこでいきなり「うちは無理だから」「無駄遣いでしょ」と返すと、
子どもは「わかってもらえなかった」と感じて壁をつくってしまうことも。

「それ、うらやましいって感じるよね」
「でも、ちょっと困る気持ちもあるよね」
そんなふうに、まず気持ちに共感する一言から入ってみてください。

「うちはうち」ではなく、「自分ならどうする?」の問いへ

感情を受け止めたら、次はちょっと角度を変えてみましょう。

「それ、あなたならどうすると思う?」
「毎回買うとして、どこまでなら自分でOKと思える?」

この問いかけは、親がルールを押しつけるのではなく、子どもが考える土台をつくります。

家庭の方針を“比べずに伝える”言い回し

「うちは厳しいんじゃなくて、こう考えてるんだよ」と伝えるには、こんな言い方もあります:

  • 「自分で選べるようになってほしいから、あえてこうしてる」
  • 「全部買えるより、何を選ぶか考えた方が力になると思ってる」

金額やルールを正当化するのではなく、「あなたのために考えている」と伝えるだけで、受け取られ方は変わります。

「で、あなたはどうしたいと思ってる?」

最後にもう一つ、忘れずに投げておきたい問いがこれです。

「あの子がどう」ではなく、「自分はどうしたいのか」を考えることが、
少しずつ“流される”から“選ぶ”への一歩になります。

次は子どもが「自分の基準」を持てるようになるための具体的な工夫をご紹介します。

“流される”から“選べる”へ──子どもの金銭感覚を育てる小さな仕掛け

友達との違いに揺れながらも、
少しずつ「自分で考えて選べるようになること」が、金銭感覚を育てる第一歩。

ここでは、家庭でできる実践的なアイデアを紹介します。

「いつ・何に・いくら使ったか」を記録するだけで変わる

難しいことは不要。
買い物や課金をしたときに、簡単なメモをつけるだけでもOKです。

例:

  • 100円:お菓子(満足度★★★)
  • 500円:ガチャ(あまり覚えてない…)

この小さな記録が、「次にどうするか」の判断材料になります。

「満足した?もったいなかった?」を振り返るワーク

親子で週に1回、お金の使い方を一緒に振り返る時間を設けてもいいかもしれません。

「良い使い方だったと思う?」
「後悔してるなら、どこがポイントだった?」

正解を教えるより、“気づきを引き出す”問いが、判断の基準を育ててくれます。

「これだけは自分で決める」ルールを一緒に作る

たとえば:

  • コンビニでは週1回だけ好きなものを買ってOK
  • ガチャは月に〇回まで。そのぶん他はガマン

子ども自身が決めたルールなら、守る意識も育ちやすく、ブレにくくなります。

「価値観を言葉にする」体験の場をつくる

学校や家庭だけでは難しいときは、金銭感覚を探るワークショップや教材も活用できます。

  • “お金の使い方”を話し合う親子カードゲーム
  • 「こんなときどうする?」を考える選択ワーク
  • リアル・バーチャル問わず、お金の模擬体験講座

自分の考えを言葉にして誰かと共有することで、“自分の判断軸”ができていきます。

比べてもいい。でも、選べるように

友達と自分を比べるのは、ある意味当たり前のこと。
大事なのは、比べたあとにどう動けるかです。

親ができるのは、“こうするべき”を教えることではなく、
「どうしたい?」を一緒に考える場をつくること。

会話をしないリスクにも目を向けて

そしてもうひとつ、大事なのが「会話をしておくことの意味」です。

子どもにとって、学校や友達との世界が“社会のすべて”になる時期があります。
その中で目にするお金の使い方や感覚が、いつのまにか「常識」として染み込んでしまうこともあります。

もし家庭で話す機会がなければ、それ以外の考え方や価値観があることすら知らずに育っていくかもしれません。

だからこそ、「うちは違うよ」という話は、比較じゃなく“選択肢を示す会話”として大切にしたい。

押しつけるのではなく、もう一つの視点を届けておく──
それだけでも、子どもが“自分で選ぶ”力を持てる土台になります。

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