Suica・PayPay・ゲーム課金…子どもに多い“電子マネーあるある”解説

つかい方・かせぎ方

Suica・PayPay・ゲーム課金…子どもに多い“電子マネーあるある”解説

「いつの間にか1万円分使ってた!」「送ってもらえばすぐ使えるし」──
子どもたちの電子マネーの使い方には、大人が驚く“あるある”がたくさんあります。

この記事では、SuicaやPayPay、ゲーム内課金など身近な例をもとに、金銭感覚のズレが起きる理由を解説。
そのうえで、親としてできる3つの工夫を具体的に紹介します。

「見えないお金」を味方にするには、まず“見えるふりかえり”から。
そんな気づきのある1本として、読み進めてください。

あ、そんな使い方してたの!? 電子マネー“あるある”な使い方

電子マネーを子どもに使わせてみると、思わぬ行動に驚くことがあります。 少しずつ、でも確実に“金銭感覚のズレ”が出てくるのが、電子マネーの特徴でもあります。

気づけばSuicaで「毎日ちょこちょこ」

【事例|Suicaのちりつも出費に気づかなかったAくん(中1)】

部活帰りにコンビニでおにぎりやジュースを買うのが習慣になっていたAくん。
毎日200円くらいのSuica支払いだったけれど、ある日親が履歴を見てびっくり。

1か月で4,000円以上。「1回ずつは少ないからOKと思ってた」と本人はポカン。
現金なら財布の中が減る感覚があったのに、Suicaだと気づかなかったとのこと。

この「ちょこちょこ使い」が意外と金額を引き上げていること、 そして“使ってる実感が薄い”から気づかないという点は、電子マネーの典型的な“あるある”です。

PayPayの送金が“なんか楽しくて”使っちゃう

【事例|中学生のBさんとPayPay送金のクセ】

お昼代が足りないときや、友達とのカフェで急な出費があると、すぐに親にLINEで「送って〜」。
PayPayなら即送金されるので、Bさんは「どうせすぐ送ってくれる」と思っていたそう。

回数が増えるにつれ、親側も「なにに使ってるの?」と不安に。
お互いにルールがなく、曖昧なまま「お願い→送る」が習慣化してしまっていた。

PayPayの「すぐ届く」「スマホで完結」という利便性が、 “お願いするハードル”も“お金の重み”も下げてしまうという現象を引き起こしています。

ゲーム課金は“リアルじゃない”お金の世界

【事例|小6のCくん、気づけば1万円分の“ジュエル”】

スマホゲームで遊んでいたCくん。
はじめは無料でもらった「ジュエル」でキャラをガチャしていたけれど、 気づけば「お得パック」「期間限定ボーナス」で少しずつ課金が増加。

親が明細を見て合計1万円超と知り、初めて「えっ、そんなに!?」とCくん自身も驚いた。 本人いわく、「お金を使った感覚が全然なかった」らしい。

ゲーム内マネーは「現実の通貨じゃない」ように感じるため、 実際の金額感や消費の実感がなく、特に子どもにとっては金銭感覚が大きくズレるリスクがあります。

…では、なぜこんな感覚のズレが起きるのでしょう? 次のステップでは、電子マネーが引き起こす“ズレ”の理由を整理していきます。

なぜそんな“ズレ”が起きるのか?

「ちょっとずつのつもりだったのに、けっこう使ってた」 「お願いすればすぐ送ってくれると思ってた」 「ゲームのコインだからお金って感じじゃなかった」── 子どもたちの金銭感覚の“ズレ”は、意識の問題だけではありません。

このパートでは、なぜ電子マネーが金銭感覚を狂わせやすいのかを整理していきます。

電子マネーが“見えない”からこそズレやすい

まず最大のポイントは、現金のように「なくなっていく実感」がないこと。 SuicaでもPayPayでも、「ピッ」で支払いが終わってしまうため、使ったという意識が残りづらいのです。

履歴を見て「あれ、こんなに使ってたの!?」と驚くのは、“見えない”お金の典型的な落とし穴。 この感覚のズレは、大人でさえ経験があるかもしれません。

「ゲーム内」や「ワンタップ」の世界では現実感が薄い

スマホゲームやアプリ内の課金では、通貨の名前が「ジュエル」「コイン」などに変わります。 これが“お金を使っている”というリアルさを遠ざけてしまう要因に。

また、まとめ買い割引やボーナスつきパックなどがあると、 「お得」感に引っ張られて、本来の支出感覚がさらにぼやけることも。

加えて、App StoreやGoogle Playのワンタップ決済は、指1本で完了。 「お金を出す」という動作がないことで、“使った感覚”が育ちにくいのです。

親世代との体験ギャップも、無意識に影響している

親が子どもだった頃は、おこづかいは財布に入り、使えば減って、なくなれば終了。 紙と硬貨が目に見えて減っていく感覚が、金銭感覚の土台になっていました。

でも今は違います。子どもたちは、“形がないお金”を当たり前として育っている。 この「実感のあるお金」と「見えないお金」の体験差が、親子間のすれ違いを生んでいるとも言えます。

では、こうしたズレを前提としたうえで、私たち親に何ができるのか? 次は「感覚を育てるための3つの工夫」を紹介していきます。

子どもの金銭感覚とどう向き合う?親にできる3つの工夫

電子マネーが当たり前になっている今、 子どもの“ズレた感覚”を責めるのではなく、どう付き合い、育てていくかが大切です。 ここでは、家庭で実践できるシンプルな工夫を3つご紹介します。

① 使った記録を「一緒に見る」ことから始める

Suicaの利用履歴やPayPayの支払明細は、スマホやアプリで簡単に確認できます。 でも、それを子ども自身が振り返る習慣がないと、意味がありません。

  • 「これ、どこで使ったんだっけ?」
  • 「必要だった?なんとなく買っちゃった?」
  • 「合計でいくらだったと思う?」

こうした問いかけを通じて、「お金の動きを見えるものにする」感覚が育ちます。 反省ではなく、“ふりかえり”の時間を一緒に作るイメージです。

② 感覚がズレやすい部分に“ひと工夫”を

子どもにとって使いやすい=感覚がバグりやすい。 それを前提に、「制限」ではなく「工夫」で整えるのがおすすめです。

  • PayPay送金は「1日1回まで」「ひとことコメントを添える」
  • ゲーム課金は「事前に使い道を申告」「予算制限を決める」
  • Suicaは「1週間でいくらまで」などの枠づけを親子で話す

ルールの押しつけではなく、「どうすれば使いすぎなくなるか?」を一緒に考えるスタンスが◎です。

③ 使うことに「意味づけ」ができるようにサポートする

「買って終わり」ではなく、「何に使ったか」「その理由は?」を言葉にすることで、 子どもの中に“使う=考える”という意識が育ちます。

  • 「これは良い買い物だった?」
  • 「次に使うなら何を優先したい?」
  • 「次は現金で払ってみる?違いはどう感じた?」

子ども自身が自分のお金の使い方に“意味”を持てるようになると、 それが「使いすぎ防止」以上の大きな財産になります。

次の買い物で、子どもが少し立ち止まって考えたとしたら── それは、金銭感覚が育ちはじめたサインかもしれません。

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