いい大学=高収入なの?|学歴・収入・働き方、“ひとつの正解”じゃない時代を親子で考える
「いい大学に入れば、将来は安泰」 昔からよく聞くこの言葉。けれど、今の時代に本当に当てはまるのでしょうか? 確かに、学歴と収入には一定の相関があります。 でも、それだけで「安心できる未来」が保証されるわけではありません。 この記事では、「いい大学」「高収入」といった言葉が、 何を基準に、どんな意味で使われているのかを一度見直しながら、 これからの時代にふさわしい進路選び・働き方・人生の選び方を、親子で一緒に考えていきます。
「いい大学」って、どこから?誰にとっての“いい”なのかを見直そう
偏差値?ブランド?親の時代の常識と今のちがい
「いい大学」と聞いて、どこを思い浮かべますか? 東大?京大?早慶?MARCH?地元で名の通った国公立? 実はこの“イメージ”は、人によって大きく異なります。 そして多くの場合、親世代の就活や進路選びでの“常識”がベースになっています。 でも、いまの大学事情・就職事情は、当時とはまったく違います。 偏差値だけでは測れない「強み」や「評価軸」が増えていることも知っておきたいポイントです。
就職の実績?卒業後の進路?“データで見る大学”の見え方
大学選びをするとき、つい「偏差値ランキング」を気にしてしまいますが、 最近では「就職実績」や「卒業後のキャリア」が重視される傾向にあります。 – 就職率が高い=人気企業に入っているとは限らない – 専門性の強い学部は、進学率が高く、収入に反映されるまでに時間がかかる – 起業やフリーランスの道に進む学生も増えている “出口”の多様化=「どこへ出るか」だけで大学の良し悪しは決められない時代です。
進学率の高さが「正解」だとは限らない
進学率が上がったとはいえ、「みんなが行ってるから安心」では通用しません。 – 進学後のミスマッチ(学部選び・学習内容) – 卒業後の進路が曖昧なまま“とりあえず就職” – 奨学金の返済に苦しむケースも増加中 「いい大学に入る」ことがゴールではなく、 「自分に合った進路を見つける」ことが、これからの時代のスタートラインです。
【視点】“行くべき大学”は、きっと人によってちがう
何を学びたいか、どこで学びたいか、どんな働き方をしたいか。 それによって「ベストな大学」は人それぞれ違ってきます。 親のイメージや社会的評価だけでなく、 “その子にとって意味のある進路”を探せるかどうかが、いちばん大事なこと。 「いい大学かどうか」より、「納得できる進路かどうか」を一緒に考えていきましょう。
「高収入」っていくらから?学歴と収入に本当に相関はある?
大卒・非大卒・学部別の年収データ比較(初任給/生涯年収)
「高収入」と聞いて、どれくらいを思い浮かべますか? 実は、多くの人がイメージしている“1000万円”というラインは、現実にはかなりの狭き門です。 – 大卒の平均初任給:23〜25万円前後 – 高卒と大卒の生涯年収差:約3000〜4000万円(※業種による差も大) – 年収1000万円超えは全体の約5%前後 確かに学歴と収入には相関がありますが、それが“保証”になるわけではありません。
MARCH・早慶・国立…一部の大手以外の“普通”の実態
たとえば「MARCHだから大手企業に行ける」と思われがちですが、 実際には“ごく一部の学生だけが有名企業に進む”のが現実です。 – 人気企業は数百〜数千人に1人の倍率 – 内定後も「部署」「配属先」によって収入・昇進のスピードはまちまち – 名の知れた大学を出ても、収入やキャリアに大きな差が出るのは“働いてから” 大学名だけでは、将来の安定や収入は読み切れない時代だといえます。
文系と理系、専門職と営業職で分かれる“収入の分かれ道”
学部・業種によっても、収入の傾向は大きく異なります。 – 理系:技術職・研究職など専門性が高いぶん、安定した年収が期待できる – 文系:営業・事務・企画系など“成果や会社の規模に左右されやすい” – 医療・工学・情報系:国家資格や実務スキルがダイレクトに収入に直結 つまり、「大学に行く=高収入」ではなく、「何を学んでどう活かすか」が問われるようになっています。
【例】1000万円は“高収入”か?手取り・生活コストとの関係で考える
「年収1000万円」でも、実際の手取りは700〜750万円前後。 都市部に住めば家賃・教育費・税金などで“余裕”とは言えないことも多いのです。 また、1000万円を目指すためには: – 管理職や専門職への昇進 – 転職・スキルアップ・副業などの選択 – 長時間労働や責任の増加 などの負荷もあるため、「数字だけ見て判断しない」視点も大切になります。
じゃあ、いい大学じゃなくても稼いでる人たちって?
専門スキルで活躍する人(IT/職人/クリエイター/医療系)
「高学歴じゃないと稼げない」というのは、もう過去の話。 いまは“学歴よりスキルや実績”が重視される場面がどんどん増えています。 – IT系:独学や専門スクール出身でも実務力で評価される – 職人系:現場経験と技術がものを言う業界 – 医療・介護・福祉:資格職として安定したニーズがある – クリエイター:作品・ポートフォリオ・実績が最優先される 「学び方」や「働き方」が多様化したことで、“ルートはひとつじゃない”時代になっています。
SNS・副業・フリーランス…学歴より“実績”で評価される場
SNSや個人ビジネスの世界では、「何をしたか」がすべての評価軸になります。 – インフルエンサーやYouTuberなどの発信者 – Webライター・動画編集・デザイン・プログラミングなどのフリーランス – 副業で“本業以上”の収入を得ている会社員も もちろん簡単ではないけれど、学歴に関係なく挑戦できる“入口”が広がっているのも事実です。
学ぶルートは大学だけじゃない|専門学校・高専・職業訓練も
進学といえば「大学」が主流のように思われがちですが、 目的に応じて選べる“別のルート”も増えています。 – 専門学校:即戦力のスキルや国家資格取得を目指す – 高等専門学校(高専):実践的な技術を学びながら高学歴ルートも狙える – 職業訓練:大人になってから学び直す人にも活用されている 「大学じゃないと…」と思い込まずに、“自分に合う進路”を柔軟に選ぶ力が求められます。
【比較】「学歴以外で稼ぐ人」が選んでいた努力と戦略
大卒でなくても収入を得ている人たちは、次のような共通点があります: – 早い段階からスキルやキャリアの方向性を意識していた – 小さな実績を積み重ねて信頼を獲得していた – 情報発信・SNS活用・人とのつながりを大切にしていた つまり、“自分で考えて動く力”と“学び続ける意欲”が、進路よりも重要になる場面があるのです。
どんな道でも、自分が納得できる“働き方”を選ぶために
収入・働きがい・自由度…自分にとっての“価値”を考える
「高収入=勝ち組」という価値観は、もうひとつの正解にすぎません。 それよりも大切なのは、自分が何を大事にしたいかをはっきりさせること。 – 安定した収入がほしい? – やりがいを感じたい? – 自由に働きたい? – 生活とのバランスをとりたい? 「収入だけ」でも、「やりがいだけ」でも続かない。 だからこそ、自分にとっての“ちょうどいい働き方”を考えることが重要です。
「がんばれば報われる」は“戦略と自己理解”で現実にする
「がんばれば報われる」と信じたい。 でも、その“がんばり方”を間違えると、うまくいかないことも。 – 自分の得意・苦手を理解する – 目指す方向に合った努力をする – 情報を集めて戦略を立てる がんばる=正しい方向に力をかけること。 それが、納得できる未来につながる近道です。
進路選びは“点”ではなく“線”で|親子で対話を重ねよう
高校・大学・就職—— それぞれの進路は「点」ではなく、人生の「線」の一部です。 – 大学に入ることがゴールではない – 一度決めた道も、学び直しや転職で変えられる – 正解がない時代だからこそ、考え続ける力が必要 進路のこと、収入のこと、働き方のこと。 「一緒に考える関係」でいることが、親としてできる最高のサポートかもしれません。
【まとめ】正解のない時代に、“選び方”を育てることがいちばん大事
“いい大学に入れば人生安泰”なんて、もう通じない。 でも、それは「もう希望がない」という話ではありません。 むしろ今は、選べる時代。道が増えている時代。 だからこそ、 – 情報を知ること – 自分の価値観を見つけること – 親子で対話して選び方を磨いていくこと それが、これからを生きる子どもたちにとって、本当の「生きる力」になるはずです。
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