「うちは貧乏だから」は言っていい?子どもに響く“お金の言い換え方”
「買って買って」「また欲しいの?」──
せがまれるたびに、つい言ってしまう「うちは貧乏だから」。
冗談のように聞こえるときもあれば、つい本音がこぼれてしまうときもある。
でも、その一言、子どもの心にどんな印象を残しているかまで考えたことはあるでしょうか。
その一言、どう聞こえた?「貧乏だから」は何を伝える?
子どもの耳にどう届くか
親としては、軽く流したつもりでも、子どもにとっては“家庭の現実”として強く刻まれることがあります。
「うちは貧乏だから」を繰り返し聞いていると、
- 「うちはお金がない家なんだ」
- 「自分は欲しいものを我慢する人間なんだ」
- 「うちは他の家より劣っているのかもしれない」
そんなふうに、自己評価や未来への期待にまで影響することさえあるのです。
「貧乏だから」は、何を意味してしまうか
たしかに、本当に余裕がない月もある。
でも、「貧乏」という言葉には、現実以上にネガティブな響きがあります。
子どもにとっては「うちには何もない」「どうせダメだ」が、
知らないうちに刷り込まれていくことにもなりかねません。
それって、金額よりもずっと重たい“思い込み”です。
「本当は何を伝えたかった?」──親の内心を整理してみる
「うちは貧乏だから」と言ったとき、本当に伝えたかったのは、
- 「今は買えない事情がある」
- 「お金にも優先順位があることをわかってほしい」
- 「なんでもかんでもすぐには手に入らないよ」
……というような、もっと丁寧で現実的な価値観だったはず。
次はその想いを“伝わる言葉”に変えるヒントを探っていきましょう。
否定じゃなく、視点の転換を——伝え方を変えてみる
「貧乏だから」と言いたくなる気持ち、わかります。
でもその一言で、伝えたいことがうまく届かなくなってしまうなら、少しだけ言い方を変えてみるのも一つの手です。
我慢の理由は「優先順位」で言い換える
「それは今は買えない」は、
- 「他に必要な出費があるから、今は控えてるよ」
- 「今は貯めてる途中だから、すぐには難しいかも」
など、“ない”じゃなく“今は選ばない”という表現にすると、
子どもは「自分が否定された」ようには感じにくくなります。
買えない=かわいそう?の構図から脱するには
周りと比べて「うちは買ってもらえなかった」と思うと、
子どもは「自分だけ損してる」と感じてしまいがちです。
でもそこで、「〇〇が買えなかった代わりに、□□を楽しんだよね」など、
“得られなかったもの”より、“すでにあるもの”に視点を向けてあげると、気持ちの整理がしやすくなります。
「ない」ではなく「どう使うか」の会話を
「お金がない」って断るのではなく、
「そのお金で何を大事に使いたいか、一緒に考えようか?」というスタンスにしてみる。
一方的に与える・与えないの話から、子どもが“自分で考える”時間に変えていくことができます。
次はそもそも親自身も迷いながら進んでいいよね?という話に移っていきましょう。
親も練習中。“一緒に考える”関係を育てよう
お金の話って、どうしても「大人が正しくて、子どもはわかってない」って構図になりがち。
でも実際は、親だって完璧じゃないし、判断だっていつも揺れてるもの。
だからこそ、「こうすれば正解」ではなく、
「この家庭では、こう考えてる」を共有するだけでも、子どもには響くことがあります。
「うちはこう思ってる」を共有するだけでも意味がある
たとえば、
- 「そのお金、今じゃなくてもう少し考えて使ってみない?」
- 「〇〇を買わないのは、使わないより優先したいことがあるから」
こんなふうに、家庭の中の“価値の優先順位”を会話にのせていくと、
ただの拒否ではなく、“スタンス”として受け取ってもらえることが増えていきます。
話し合いの場をつくるコツ——正直に、でも安心感を
「お金のことは大人が決めるもの」
そんなイメージを変えるには、ちょっとした話し合いの時間が効果的。
「今月、何か使いたいことあった?」
「今後、何に向けて貯めておきたいものってある?」
そんな問いをきっかけに、“話していいんだ”という空気を家庭内につくっていけると理想です。
親の迷いや変化も“学びの素材”になる
「ほんとは欲しいって思ったけど、今月は我慢したんだ」
「悩んだけど、こういう理由で今回はやめたよ」
そんな大人の“揺れ”も、子どもにとっては貴重な学びのネタになります。
うまく伝えられなくてもOK。
大事なのは、一方的に決めるんじゃなく、“一緒に考える姿勢”を見せることです。
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