フィンランドの子は学校で起業する?|世界の“お金の学び”事情をのぞいてみよう

フィンランドの子は学校で起業する?|世界の“お金の学び”事情をのぞいてみよう

「日本って、学校でお金のこと教えてくれないよね」 そんな疑問やモヤモヤを感じたことはありませんか? お金は毎日の暮らしに欠かせないのに、使い方や仕組みについて、子どもがきちんと学ぶ機会はあまりありません。 一方で、世界には“起業”や“投資”を、子どもが実際に体験しながら学ぶ国もあります。 この記事では、フィンランドやアメリカ、アジア各国の事例をもとに、世界の“お金の学び方”を紹介しながら、日本でも取り入れられるヒントを探っていきます。 「うちでも何か始めてみたい」——そんな気持ちが芽生えるきっかけになるかもしれません。

フィンランドでは「会社をつくる」授業があるって本当?

実際に売る・仕入れる・利益を出す「起業体験」

フィンランドでは、中学生や高校生が学校の授業の一環として「実際に会社をつくる」体験をします。 架空の会社ではなく、チームでビジネスのアイデアを出し、商品の仕入れやサービスの提供、販売や会計までを本格的に行うのです。 利益が出たら、配当を決めて「みんなで分ける」ところまで学ぶという本格ぶり。 まさに、“お金を動かして学ぶ”リアルな経験です。

「やってみる」ことが金融リテラシーにつながる

この授業の目的は、単に「ビジネスごっこ」をさせることではありません。 商品の原価・利益・税金・人件費など、実際にお金が動く中で、数字と責任をともに体感することが目的です。 「使う」「稼ぐ」「回す」といった、お金の基本的な感覚を、言葉ではなく経験から身につけていく。 それが、金融リテラシー教育として評価されているポイントです。

なぜこんな授業があるの?背景にある教育哲学

フィンランドでは、「子どもを“社会の一員”として育てる」ことが教育の基本にあります。 お金の教育も、“大人になってから必要な知識”ではなく、「今の社会に参加する力」として重視されています。 「働くってどういうこと?」「お金ってどう流れてるの?」を、リアルな形で体験できる環境づくりが、国ぐるみで行われているのです。

アメリカやシンガポールではどう学んでる?“お金の授業”比較

アメリカは「株式投資」や「ローンの仕組み」も学校で教える

アメリカでは、高校の「パーソナルファイナンス」や「経済学」の授業で、株式投資やローン、クレジットカードの仕組みなどが教えられます。 一部の州では卒業要件にも含まれていて、成績に反映されるケースも。 「将来、自己破産しないために」という観点から、若いうちから“借金と信用”の扱いをしっかり学ばせるのが特徴です。

シンガポールは国家主導でキャッシュレス教育を導入

シンガポールでは、子どもたちが早くからキャッシュレスやQR決済に慣れるよう、国主導で教育が行われています。 学校では電子マネーの使い方や管理方法を学び、実際の購買でもデジタル決済を導入。 「現金を使わない世代」に向けた金融教育が、社会全体で推進されているのが大きな特徴です。

日本は「家庭科でちょっとだけ」…なぜ進まないの?

日本でも高校の家庭科で「資産形成」や「消費者教育」について学ぶ内容はありますが、授業時間は限られており、“実生活とつながらない”という声もあります。 「間違ったことを教えたくない」「投資やビジネスを扱うのはハードルが高い」といった先生側の不安や、制度的な遅れも理由のひとつ。 その結果、「お金=家庭でなんとかして」という構造が、ずっと続いているのが現状です。

日本でも「やってみる学び」はできる?家庭からのアプローチ

おこづかいミッション、フリマアプリ体験、クラウドファンディング

学校で本格的な起業教育ができなくても、家庭でできる“実践的なお金の学び”はたくさんあります。 たとえば… – 「500円で商品を仕入れて、友達に売ったらいくらもうかる?」という“おこづかいミッション” – 家のいらないものをメルカリで売る“フリマアプリ体験” – 応援したいプロジェクトに出資する“クラウドファンディング参加” これらはすべて、「自分のお金を動かして考える」リアルな学びの場になります。

学校でできないなら、親子で小さく始める

「学校で教えてくれないから仕方ない」ではなく、家庭の中で小さな実験を始めることが、子どもの未来につながる大きな一歩になります。 お金を稼ぐ・使う・残す・増やす——そのどれもが、体験を通じてこそ身につくもの。 親が“一緒にやってみよう”の姿勢を持つことで、学びの質がぐっと深まります。

「起業=社長」じゃない。“自分で考えて動く”体験が財産に

「起業」という言葉にはハードルを感じるかもしれませんが、本質は「自分で考え、責任を持って行動する力」を育てること。 失敗しても、途中でやめても、やってみた経験は必ず活きます。 フィンランドのように制度化されていなくても、家庭や地域の中で“ちいさな起業”を体験することで、子どものお金に対する自信と視野は大きく広がります。

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