「複利」ってなに?|10年で“増え方が変わる”お金の仕組みを学ぼう

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「複利」ってなに?|10年で“増え方が変わる”お金の仕組みを学ぼう

「お年玉は親が預かっておくね」——そんな経験、ありませんか? 実はその“預かり方”ひとつで、10年後に大きな差が出ることがあるんです。 たとえば、Aくんの親は株で運用し、Bくんの親は銀行に預けただけ。 どちらも10万円からスタートしたのに、気がつけば数万円の差が…? その理由は「複利(ふくり)」というお金のふしぎな増え方にありました。 この記事では、単利との違いや「雪だるま式に増える」ってどういうこと?を、図や事例を交えてやさしく解説。 リスクや「子どもの合意」についても正面から扱いながら、親子で“時間とお金”の関係を考えるきっかけを届けます。

同じ10万円のお年玉…親の“預かり方”で未来が変わる!?

銀行に預けたBくん、株で運用したAくん|10年後の差は?

BくんとAくん、どちらも10歳のときに10万円のお年玉をもらいました。 「将来のために」と、それぞれの親が代わりに預かることに。 ただし、Bくんの家では銀行の普通預金にそのまま預けて、Aくんの家では「株で少しだけ増やせたら」と運用してみたんです。 それから10年——Bくんが20歳になったとき、預けていた10万円を引き出してみると…?

「え、それずるい!」…でも差がついた理由は“複利”にあった

Bくんの口座には、ほぼ10万円のまま(銀行の金利はごくわずか)。 一方でAくんの預かり分は、約13万4千円になっていました。 Aくんの家で使っていたのは「複利」という仕組み。 1年目に3%増えて10万3千円になったら、翌年はその全体(10万3千円)にまた3%がつく。 つまり、元金だけじゃなく、利子にも利子がついていく「雪だるま式」の増え方です。

複利ってなに?|“利息にも利息がつく”ってどういうこと?

普通の「単利」は、元のお金にだけ利息がつく仕組み。毎年の増え方は同じです。 でも複利の場合、増えたぶんも含めて「次の年の元本」になるので、年を追うごとに加速的に増えていきます。 この「時間がたつほど差が広がる」という点が、複利のすごさのポイントなんです。

【比較】10万円×10年の差(単利 vs 複利)

– 単利(年3%):10万円 × 3% × 10年 = 13万円 – 複利(年3%):10万円 × (1.03)^10 ≒ 13万4,000円 わずかな違いに見えるかもしれませんが、期間が20年、30年となれば、差はどんどん広がります。

【でも注意】増えるばかりじゃない|減るリスクと長期視点

複利は“自動的に増える魔法”ではありません。 Aくんの家でも、もし運用中に大きく値下がりすることがあれば、むしろ減っていたかもしれません。 だからこそ、短期で焦らず“長く持つ”ことがとても大切。 「雪だるま」を転がし続けるには、冷静さや継続力が必要なのです。

【さらに】子どもに相談せずに運用してたらどうなる?

もしAくんの親が「子どものためだから」と勝手に投資していたとしたら? それがうまくいっていたとしても、「なんで勝手に!?」と子どもが感じる可能性はゼロではありません。 お金の使い方や管理は、子どもとの信頼関係のなかで話し合うことも大切です。 「一緒に考えてくれていた」という記憶こそが、将来のお金のセンスにつながっていくのかもしれません。

「複利」はどんな場面で使われてるの?

預金・iDeCo・投資信託も|知らないうちに「複利」運用中?

実は、Aくんの家のように「株式投資」に限らず、身近なお金の仕組みにも複利は使われています。 たとえば、 – 銀行の定期預金(わずかでも利息に利息がつく) – 投資信託(再投資型) – iDeCo(個人型確定拠出年金)など どれも「増えたお金をそのまま次の元本に加える」という点で、複利の力が働いています。

「いつも増える」はまちがい?|株や投資には波もある

とはいえ、複利が使われる=いつも増える、ではありません。 特に株式や投資信託では、価格が上下するため、マイナスになる年もあります。 「複利で増える予定だったのに、減ってる!」なんてことも十分ありえるのです。 だからこそ、複利を味方にするには「短期で焦らない」「波があることを前提にする」姿勢が欠かせません。

複利のカギは“元本・利率・期間”のバランス

複利が本領を発揮するためには、いくつかの条件があります。 – 元本(はじめのお金)が多ければ多いほど、増え方も大きくなる – 利率(年何%増えるか)が高いほど、増え方も加速する – 期間(何年運用するか)が長いほど、差が広がる つまり、「元手が少なくても、利率が高くても、すぐ引き出したら意味がない」こともあるんです。

【確認】利率だけ見てもダメ!複利の力を活かす条件とは

複利で成功するには、「時間」が味方になる設計が必要です。 ✅ コツコツ続けること ✅ 利息を取り出さずに“再投資”すること ✅ 増減の波に一喜一憂しないこと この3つを守ることで、複利は“少額でも続ければ大きな差になる”心強い味方になります。

今日からできる!複利を味方にする考え方

お金は“早く使う”より“育てる”という選択肢もある

お年玉やおこづかいを「すぐに使う」こともワクワクしますが、 「少しだけ未来の自分に預ける」ことで、思わぬ“ごほうび”になるかもしれません。 お金を“育てる”という視点を持つことで、「自分でコントロールできる感覚」が身についていきます。

少額でも時間をかければ育つ|月100円でも意味がある?

「10万円なんてないし…」という子もいるでしょう。 でも、たとえば月100円でも、年1,200円。これを20年続けたら2万4千円。 もし年3%で運用できたら、実際の残高はそれ以上になります。 大切なのは「額の大きさ」ではなく、「続ける力」と「育てる視点」です。

子どもと一緒に考える「預け方」|合意と記録が安心を生む

Aくんのように親が運用する場合でも、「どうしてそれを選んだのか?」 「増えたり減ったりすることもあるんだよ」 そういった話を子どもと共有しておくことで、“勝手にやられた”という不信感を防げます。 親子で記録をつけたり、「これは〇〇目的だね」と話し合っておくことが、お金への信頼や責任感につながっていきます。

【Tips】おこづかいと投資的視点は両立できる?

「貯めたほうがいい」と言っても、子どもにとっては“今ほしいもの”も大事。 だからこそ、おこづかいを「使う・貯める・育てる」の3つに分けて考える習慣がおすすめです。 – 使う:今の楽しみ – 貯める:数ヶ月後の目標 – 育てる:未来の自分への信頼 お金は“自分の味方にできる道具”なんだという実感が、複利の学びを通じて育っていきます。

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